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もっと本を読もう

  もう 3 月も終わりとなり、 4 月からは新年度がスタートします。 2 月下旬のロシアによるウクライナ侵攻により、世界は混とんとした時代を迎えようとしています。コロナの状況にやっと出口の見え始めたときに、このような世界的な変化が起きるとはだれが予想していたでしょうか。 古代ローマが舞台の漫画『テルマエ・ロマエ』で有名な漫画家ヤマザキマリさんの本に次のような一節がありました。 ( 『国境のない生き方』小学館新書 2015) 「こん棒でひたすら殴り合うみたいな戦争をいまだにやり続けているのは、なぜなのか。突き詰めて考えれば、これも想像力と寛容性がないからだと思うのです。 かつての革命家は、ほとんどが教養人であったというのがすごく象徴的な話だと思うのですが、たとえばキューバ革命の英雄チェ・ゲバラは、キューバを捨ててボリビアに行った時に、まずゲリラの人たちにゲーテの詩集を配ったんです。「まずこれを読め」と。 「本を読めよ。そこから始めようぜ」と。 ~( 途中略 )~ 私がキューバという国に対してものすごくシンパシーを感じているのもそこで、あの国の人たちはどんなに貧しくても非識字率ゼロですから。 どんな田舎のおじいさんだって、立派な筆記体の字を書けるし、読んでいる。平和を維持するには、人が 自分の力で考え、判断していく力をつけることがものすごく大事なことだ ってわかっているんです。」 私たちにできることは、まさにこの「自分の力で考え、判断していく力をつけることがものすごく大事なこと」であると信じ、そうした思いを多くの人たちと共有し、そのような力を身につけた子供たちを育てていくことではないでしょうか。 4 月からは、高等学校において新教育課程がスタートします。 今月 18 日発売『世界史の考え方 --- シリーズ歴史総合を学ぶ①』 ( 岩波新書 ) の帯には、次のように書かれていました。 「私たちが考えているのは、今、目の前にある「歴史総合」の教科書をいかに解釈するかではなく、教科書の向こうにある「問い」を見いだし、いかに深く掘り下げていくかです。たとえ、本書が提示した問いをそのとおりに考える授業ができなくても、本書を素材にして、教師が深い問いを持とうとする知的好奇心を高めれば、きっと授業は進化 ( 深化 ) していく...

新学年のPR 4月から高校生コース新設

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 新年度のちらしができました。ここにアップしておきます。

高校の新教科「歴史総合」はどうなるか

 いよいよこの4月からの高校の新教育課程で1年生の必修教科「歴史総合」が始まります。 これまでは日本史と世界史に分かれていたために、どちらか片方しか学ばない生徒も少なからずいたわけです。そこのところを何とか改善しようということで、新教科「歴史総合」が新設されたというわけです。近代を大航海時代から始まると考えて、それ以降を学習範囲とするようです。 そもそも大航海時代以降は、日本の歴史の中の様々な出来事は多くが海外と分かちがたく結びついているわけです。たとえば、鉄砲伝来を考えてみても、ポルトガルの海外進出なくして、それが実現するわけもありません。キリスト教の布教という目的は一方でありますが、火薬の原料である硫黄が当時の日本にたくさんあったわけで、それを目的に彼らがやってきたというのも合理的な理由だと思います。 そのように日本国内の出来事も海外との関係のなかで生まれたものが考えてみればたくさんあるわけです。そのようなことを学ぶ場として「歴史総合」が機能するとよいと考えますが、いかがでしょうか。

勉強のやり方ABC

  1 定期テストや実力テストのあと    ①    返却された答案用紙をみて、間違えたところを正答と見比べて、なぜそうなるかを自分なりに理解する。わからなければ、塾で質問する。   2  ふだんの勉強 ①    国語 ・ 教科書の文章を繰り返し読む 。 ( できれば音読する ) ・意味の分からない言葉をノートに書きだして、辞書などで調べる。 ・新しく出てきた漢字を最低 5 回書く。 ・自分の好きな本や雑誌の文章などを利用して、ある文章を取り出して、それを要約してみる。 ( 要約→大切なところをまとめること、筆者が何を言いたいか ) ②    社会 ・各単元 ( 内容のまとまり ) のなかで、学んだ内容をふりかえり、 要点をノートにまとめてみる 。歴史ならば主なできごとや年号、人物名など、地理ならば地名、特産品、地形や川、湖、海の名称など。   ③    数学 ・教科書の各単元の 最初にある例題や解説を読んでみる 。  そこで、覚えなくてはいけない公式・法則などを書き出して、暗記できるようにする。 ・ 教科書の例題を自分で解いてみる 。→これができないとそのあとのところはすべて理解できない。 ・例題のあとにある「練習問題」を解く。例題を解くのに使った方法が実際に使えるかどうかが試されている。→ここのところで、わからなければ塾で質問する。 ・学校で使用しているワークブックや「すらら」で同じような練習問題をやってみる。   ④    理科 ・実験や観察のところは、やり方をよく読んで理解する。何を目的とした実験・観察なのかをわかるようにする。 ・各単元で新しく出てきた「公式・法則」はノートに一度書き出してみる。 ・学校で使用しているワークブックの問題を解く。   ⑤    英語 ・単語のスペルを練習する。 ・進行形、受動態、過去分詞などの文法を理解する。 ・教科書にある例文は繰り返し、ノートに書いたりして、暗記できるようにする。

私立大学の生き残り戦略

   昨年 9 月末に日本私立学校振興・共済事業団から衝撃の発表がなされました。それは、今年度の大学入学定員充足率が調査開始以来、初めて 100% を割り込んだというものでした。つまり、本格的な大学全入時代に突入したということで、定員割れの 4 年制私立大学も全体のほぼ半数にあたる 277 校 ( 前年度から 93 校増加 ) になりました。   18 歳人口が 1992 年の 205 万人をピークとして年々減り続け、 2021 年は 114 万人になっています。このまま減り続けると、 2040 年には 88 万人になるようです。  そのことは、私立大学一般入試における志願者数にも大きな影響を与えています。   1990 年は志願者数では、上位 3 校は早稲田大 159,514 、日大 156,627 、明治大 111,494 でした。それが 2021 年度の上位 3 校は、近畿大 135,979 、千葉工業大 108,707 、明治大 99,470 となりました。上位校の顔ぶれが変わったことも変化の一つですが、志願者数全体も減ってきています。かつては、一人で何校も受験をするのが当たり前でしたが、コロナ禍ということもあり受験生も志願する大学の数を絞ってきているようです。また、地方在住の受験生は地元の大学を選ぶことも増えてきているようです。 ( せっかく東京に出てきても、授業がほとんどオンラインではやり切りないという話をよく聞きました。 )  こうなると定員割れをしている私立大学は経営的にも厳しくなってきます。そのためここ数年生き残りをかけて、様々な取り組みをスタートさせている私立大学が多くなってきています。   11 月 24 日付の日本経済新聞に「講義は遠隔 地域で学ぶ」と題して次のような記事が掲載されていました。  講義はオンラインで実施し、地域を巡りながら学んでもらう大学が誕生している。学生はその土地で暮らしながら様々なプロジェクトに参加。地域ニーズを発掘・創造し社会課題の解決を探る。  この大学は文部科学省の大学設置基準に準拠していないため、大学卒業資格は取得できません。しかし、大卒の資格を必要とする学生には、別な大学の「すべてネットで完結する通信教育課程 ( 新潟産業大学 ) 」が受講できるようになっているそう...

身体を通した学び

 しばらく前に「声に出して読みたい日本語」という本がベストセラーになりました。 この本に掲載されている文章はだれもが一度は聞いたことのあるものばかりです。 この間、しばらくぶりにこの本を取り出してきて、その一説を音読してみました。 やはり声に出して読むというのはいいですね。また、小さいうちから音読をしていていると自然にその文章が体の中に入り込んでくるから不思議です。 絵本の読み聞かせをしている方は多いと思いますが、絵本以外にも子供向けの本なども音読してみるといいと思います。この身体的な学びというのは、デジタルの時代だからこそ貴重です。PCの画面上のやり取りばかりが多くなるでしょうから、こうした取組を積極的にしていきたいものです。

学びのスタイル

 人それぞれ顔が異なるように、得意な学び方も違うはずです。それをこれまでの学校教育ではすべて一律でやってきました。なぜならそのほうが効率がよいからです。 ところが、これまでの決められた仕事をきちんとこなす労働者が求められていた時代は終わりました。「創造性」が必要と言われてもなかなか変われないのが学校です。いつまでも暗記中心の学習ばかりやっていても仕方ないのです。 そんなところは学習塾に任せておけばよいのです。 学校は協働する学びや探究する学びをどんどん展開してほしいものです。協働する学びは学校の最もよいところではないでしょうか。そんな学びを期待します。 定型的なドリルなどは学習塾に任せてください。効率よくやりますよ。