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私立大学の生き残り戦略

   昨年 9 月末に日本私立学校振興・共済事業団から衝撃の発表がなされました。それは、今年度の大学入学定員充足率が調査開始以来、初めて 100% を割り込んだというものでした。つまり、本格的な大学全入時代に突入したということで、定員割れの 4 年制私立大学も全体のほぼ半数にあたる 277 校 ( 前年度から 93 校増加 ) になりました。   18 歳人口が 1992 年の 205 万人をピークとして年々減り続け、 2021 年は 114 万人になっています。このまま減り続けると、 2040 年には 88 万人になるようです。  そのことは、私立大学一般入試における志願者数にも大きな影響を与えています。   1990 年は志願者数では、上位 3 校は早稲田大 159,514 、日大 156,627 、明治大 111,494 でした。それが 2021 年度の上位 3 校は、近畿大 135,979 、千葉工業大 108,707 、明治大 99,470 となりました。上位校の顔ぶれが変わったことも変化の一つですが、志願者数全体も減ってきています。かつては、一人で何校も受験をするのが当たり前でしたが、コロナ禍ということもあり受験生も志願する大学の数を絞ってきているようです。また、地方在住の受験生は地元の大学を選ぶことも増えてきているようです。 ( せっかく東京に出てきても、授業がほとんどオンラインではやり切りないという話をよく聞きました。 )  こうなると定員割れをしている私立大学は経営的にも厳しくなってきます。そのためここ数年生き残りをかけて、様々な取り組みをスタートさせている私立大学が多くなってきています。   11 月 24 日付の日本経済新聞に「講義は遠隔 地域で学ぶ」と題して次のような記事が掲載されていました。  講義はオンラインで実施し、地域を巡りながら学んでもらう大学が誕生している。学生はその土地で暮らしながら様々なプロジェクトに参加。地域ニーズを発掘・創造し社会課題の解決を探る。  この大学は文部科学省の大学設置基準に準拠していないため、大学卒業資格は取得できません。しかし、大卒の資格を必要とする学生には、別な大学の「すべてネットで完結する通信教育課程 ( 新潟産業大学 ) 」が受講できるようになっているそうです。この大学は、