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6月, 2022の投稿を表示しています

大学(短大も含む)進学のメリットは何?

  高校生のみなさん、1学期もまもなく終わりますが、ここで自分の進路をどうするか、夏休み前に考えてみることは大切なことです。  また、先のことだと考えている1,2年生のみなさんも、実は1年の3学期から大学受験はスタートしていると言ったら「ちょっと早すぎるだろ」と思いますか。  その前に、大学に進学するメリットは何かを考えてみます。  一つは、よく言われるように高卒と大卒の「生涯賃金の差」です。たしか以前の厚労省のデータによると5000万円以上差がありました。まずお金の問題を考えてみても大卒のほうが有利になるのは間違いないでしょう。  次に、大学で学ぶことによって、知識の基盤となる教養が身につくことが挙げられます。  たとえば、大学で教養科目の一つとして学ぶ「経済史」「科学史」などを通じて、高校で学んだ以上に専門的に深く学ぶことができます。具体例を挙げれば、近世経済史で取り上げられるドイツ出身の経済学者アンドレ・グンダー・フランクの著書『リオリエントーアジア時代のグローバル・エコノミー』 ( 藤原書店 2000 年 ) によると、 1400 年ごろから 1800 年ごろまでの 4 世紀にわたり、世界経済の中心は東アジア、特に中国であり、西洋は東洋にぶら下がる周辺部だったと主張しました。これは私たち一般人の感覚からすると、少し意外な感じがするのではないでしょうか。おそらく、ヨーロッパを中心とする西洋が大航海時代を含めて、東洋を支配してきたのではないかと思われる方が多いでしょう。   それが、近年の世界経済の状況から世界のものづくり工場はアジア、特に東アジアであり、世界経済の中心は西洋から東洋に移行しつつあるのではないかと。しかし、フランクの考え方によれば、世界の中心はもともと西洋ではなく東洋であり、世界史的に見れば東洋は勃興してきたのではなく、元に戻りつつある『再興』なのだということになります。これは実に大きな視点の転換です。これまでは西洋中心の世界観でものを見てきた人間にとっては驚きの見方です。  このような学びができるのも大学での学びの特長です。人生観や世界観を新たに獲得することもできるでしょう。ある分野の専門家である大学教員の授業を受けることは、その先生のそれまでの研究成果の一端に触れることができる貴重な出会いの場ともなるわけです。単に、就職活動のために学ぶと

夏期特別講座(夏期講習)のご案内【外部生向け】

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 夏期講習の案内ができました。これは、外部の方向けです。  申込の締切は7月20日(水)です。中学生は各学年定員の残りは3名ずつです。 

総合型選抜で求められるものは

 前回は、これからの大学入試で「総合型選抜」が大きな流れになっていくということをお話ししました。  今回は、「総合型選抜」で求められるものは何かという点についてお話しします。  それを考えるうえで、考慮しなければならないことは各大学の3つのポリシーです。   各大学では、「アドミッションポリシー」、「カリキュラムポリシー」、「ディプロマポリシー」という3つのポリシーに基づいて教育活動を展開しています。  簡単に述べると、アドミッションポリシーは「うちの大学はこういう学生を求めています、こんなことに力を入れたい学生を求めています」とうものです。順番から言うと、次はカリキュラムポリシーですが、これは近年あちこちで使われている「Backward Design」(逆向き設計)の考え方を援用すると、卒業時点のディプロマポリシーから考えたほうが合理的です。つまり、ディプロマポリシーは、卒業時にうちの学生は「こんな力を身につけて卒業する学生です」「在学中にこんな力を身につけました」という到達目標が示されることになるのです。  その目標を受けて、そのためにはどのようなカリキュラムを組んで、どんな授業をしていくのかを示したものがカリキュラムポリシーであるということになります。  以前のAO入試は上記3つのポリシーのうちの、アドミッションポリシーのみを念頭において作られたものでした。したがって、受験対策もある意味では就職活動と同様に、自己分析をして、自分のよいところを中心に売り込み、「私はこんなことができる人間です」ということをPRすればよかったわけです。  しかし、 今度の総合型選抜では、上記3つのポリシーをしっかりと頭に入れて、自分はこの大学で何を学んで、どういう力をつけて、どんな人間になって社会に貢献したいのかというストーリーができていないといけないのです。つまり、大学合格は目標ではなく、あなた自身のキャリアの通過点に過ぎないのだということになります。ここが重要なポイントです。  これを意識されている高校の先生方はそれほど多くないというのが現状ではないでしょうか。  つまり、志望理由書の作成や小論文・面接対策という技術的なことだけではなく、その生徒のキャリアデザイン全体を考えなくてはならないということです。  最近「総合型選抜」「学校推薦型選抜」の対策を売りにしている塾が増えてき

総合型選抜大学入試に関する情報

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※この表は、社会構想大学院大学教授・学びエイド代表取締役の廣政愁一氏作成のものです。   高校生のみなさんは、ほぼ半数以上の人が大学進学を考えていると思います。 私はこの3月まで都内私立大学の教授を務めていました。その感覚からすると、高卒よりも大学進学を多くの方にはお勧めします。 そこで、大学に入る方法としては、これまでは一般入試、AO入試がありましたが、3 年前より「総合型選抜」「学校推薦又は公募制推薦入試」「一般入試」の3つに分かれるようになりました。ここでの話はその「総合型選抜入試」のことです。 今や私立大学の入学定員の58%が「総合型選抜」を経て、入学してくるようになりました。 これまでのAO入試はどちらかというと、就職活動に似ていたわけですが、今度の「総合型選抜」はあなた自身のキャリアデザイン(人生計画)の一部となるものです。したがって、一般選抜の入試のように試験が終わればそれでお終いではなく、人生の一部としてそれ以降にも影響を与える大きなものなのです。そこのところをしっかりと認識しないとうまくいかないでしょう。 次の表は総合型選抜を採用している主な大学一覧です。 自分の志望する大学がもしこの中にあれば、ぜひ「総合型選抜」入試を念頭において、今後の高校生生活を送ってください。具体的に何をしたらよいかは、大学教員を経験した当塾の専任講師が懇切丁寧にお教えします。 総合型選抜入試及び学校推薦型入試を考えている高校生は、ぜひ当塾に相談してください。