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評価の問題
そろそろ県内の中学校は中間テストの時期かと思います。テストは本来は学習の状況を把握して、目標が達成できていなければ、そこで補充するなり、なんらかの手立てをするために行うものです。学校で行われている大多数のテストは、学習の成果を測る「総括的評価」として行われています。実は、学習後に学習者の状況をすぐに本人や指導者にフィードバックして、学習を修正していく「形成的評価」のほうが重要です。まだ形成的評価は学習の途上で行われているので、その後の修正が可能です。でも、総括的評価だと、多くの場合は修正がききません。その意味で、形成的評価が重要なので、学んだら、小テストのようなもので、本当に学べたのかを随時チェックしていくほうが、目標を達成できる可能性が高くなります。 そうしたことを考えると、中学生のみなさんにも、その日に学んだことはその日のうちに「振り返る」ことが学習にとって効果的なことがわかります。その日のうちは、無理でも週末の1時間ぐらいを使って、その週に学んだことをもう一度振り返ってみる、具体的には、小テストのようなものをやってみることで、自分がきちんと理解できたかが確認できます。これが自分でできる人は、塾に行かなくても、ある程度の成績は取れると思います。自分でできない人は、塾に週2日ぐらい通って、方向付けをしてもらうことが大切です。 まあ、学校時代の成績など、社会に出れば全然関係ないですが。でも、いまだに日本社会は学歴を問題にする、ある意味「遅れた社会」ですから、それなりに成績は確保したほうがいいのです。
小中学校の英語が大変なことになっています
2年前から小学校に「英語科」が導入されました。それに伴って、今小中学校の英語教育が大変なことになっています。 最近発刊された『英語と日本人』(江利川春雄・ちくま新書)によると、次のような一文にぶつかります。「英語の学習を早期に諦めてしまう子どもが増えた。英語の教員が学校に出てこられず病休になった。日本の英語教育を何とかしないと生徒も教員もボロボロにされてしまう」 (岐阜・小学校教員) 「これまでも持ち帰り仕事は大量にありましたが、とうとう四時台に起きるのが通例になりました。三十年以上の教師生活で今年度が群を抜いて一番大変です。」 (東京・中学校教員) などの現場の先生方の声が紹介されています。 小学校段階で600から700語というかなり多い語彙がノルマとされたのです。それに伴い、中学校では従来の1200語程度から1600~1800語増やされました。授業時間数は中学校は週4時間のままです。しかも、文法面でも従来高校でやっていた現在完了進行形や仮定法を中学校に下ろしてきました。同書によると「授業でやることが多すぎて時間が足りません。置き去りにしている生徒が気になりながらも、教科書を進めていかなければならないのが悩みです。」とある中学校の英語教員の声を紹介しています。 教育再生会議が2013年に打ち出した「結果の平等主義から脱却し、トップを伸ばす戦略的人材育成」が見事に教育現場に押し付けられた結果です。これでは、トップ以外の子どもはどうしたらいいのでしょうか。トップ以外はただの歯クルマとして働く従順な労働者になればいいという魂胆が透けて見えてしまいます。 また、新学習指導要領では高校だけでなく、中学校でも英語の授業は「英語で行うことを基本とする」と定めています。同書によると「近年の応用言語学は外国語教育における母語の役割を重視する傾向にあるが、それに逆行している」とあります。 教育の素人たちが自分たちの都合の良いように教育をいじくりまわしているのです。これでは、子どもたちは救われません。本当に何とかしなければという危機的な状況に来ているのです。 どうか塾に通わせる気持ちがあり、多少のお金の融通の利く親御さんは、わが子の「英語教育」を真剣に考える時期です。英語なんかで苦労するなんて、「ばかばかしい」の一語に尽きます。現在のコミュニケーション重視の英語の授業を受けて...
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